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農村と都市をむすぶ誌
環太平洋連携協定に対する見解

政府は、6月18日に新成長戦略を閣議決定し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築を通じた経済連携戦略として、2010年秋までに「包括的経済連携に関する基本方針」を策定することとした。しかし菅総理大臣は、第176回国会における所信表明演説で「環太平洋連携協定(TPP)交渉等への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指す」ことを突如表明した。その背景は、11月13~14日に横浜で開催されるAPEC首脳会議で日本は議長国を務めるので、リーダーシップを取るために参加を表明する方針と言われている。

TPPは、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4ヶ国が2006年に発足させたEPAであり、その後、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが参加を表明している。原則として全ての品目について関税を撤廃し、例外なく自由化に移行させる協定となっており、日本における米、乳製品、牛肉、砂糖、小麦等の重要品目が例外なしの関税撤廃となれば、日本農業に与える影響は甚大である。

日本経済が低迷を続ける中で、自由貿易の推進を否定するものではないが、一方では、強い経済を実現するために安定した内需と外需の創造が求められている。日本農業は、地域経済の発展に寄与し国家戦略の柱として位置づけられており、戸別所得補償制度などマニフェストに基づく新たな農政の推進や自給率向上のための社会資本の整備などが重要となっている。

本年3月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画では、「EPA、FTAについて、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興等を損うことは行わないことを基本に取り組む」としている。TPP参加の表明は、基本計画と大きく矛盾するものである。

さらに、民主党政権政策2009では、「米国との間で自由貿易協定(FTA)の交渉を促進し、貿易・投資の自由化を進める。その際、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない」としていること、また、2006年12月衆議院・参議院農林水産委員会で「重要品目が除外又は再協議の対象となるよう政府一体となって全力で交渉すること。国内農林水産業、関連産業及び地域経済に及ぼす影響が甚大であることを十分に踏まえて政府を挙げて対応すること」などの決議が全会一致で採択されたことも踏まえなければならない。

現在、政府が参加を検討しているTPPは、これまでの経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)よりも日本の農林水産業が壊滅的な影響を受ける恐れが強い。このため、国家戦略としてどうあるべきか慎重に検討すべきである。

 

 2010年10月25日 
全農林労働組合


2010年10月25日 | 全農林の活動



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