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農村と都市をむすぶ誌
独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針に関する見解

政府は、昨日の行政刷新会議の決定を踏まえ、「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」を1月20日に閣議決定した。
 これは、昨年度決定された「事務・事業の見直し基本方針」「講ずべき措置」の着実な推進の上に立ち、行政と独立行政法人との関係の再整理を含め「公」の新しい姿を構築するとして、行政刷新会議・独法改革分科会が検討し取りまとめたものである。

この制度及び組織の見直しの基本方針は、①法人の事務・事業の特性に着目した類型化とガバナンスを構築するため、研究開発型をはじめ7類型の「成果目標達成法人」と「行政執行法人」に分類する、②共通ルールとして、ⅰ)財政規律の抜本的な強化や一貫性・実効性のある目標・評価の仕組みを構築する、ⅱ)国民目線での第三者チェックと情報公開の推進、を整備する、③組織の見直しとして、現行の102法人を、廃止、民営化等、統合として整理する、④制度・組織の移行にあたり、法人の職員の雇用の安定に配慮しつつも合理化を徹底する、というものである。
 農林水産省所管法人に関しては、FAMICは行政執行法人に、種苗管理C及び家畜改良Cは法人の裁量性やガバナンスの類似性、農畜産物の生産性・品質向上等の業務を一体的に遂行する体制構築の観点から統合し新法人に、水産大学校及び水産総合研究Cは水産分野の人材育成機能と研究開発機能を拡充させた新法人に、農研機構、生物研、農環研、国際農研は融合領域の研究面でのプラス効果や効率的業務運営の推進のため統合のうえ「研究開発型」の新法人に、森総研は森林・林業分野の総合的研究開発を行う「研究開発型」の新法人とするとともに、水源林造成事業等には「行政事業型」のガバナンスを適用する、と整理された。

中央本部は、昨日、制度及び組織の見直しの基本方針について、農林水産省当局から説明を受けた。この中で当局は、各レベルでの折衝で大変厳しい指摘を受けたが、各法人の事務・事業の特性に着目して類型化し、類型ごとに最適なガバナンスを構築するとの方針どおり、政策実施機能の強化や効率性向上の観点からの法人再編、新たな法人制度に共通するルールが整備されたものである。また、職員の雇用と労働条件の確保はもとより、各法人が果たしている政策機能が維持され、統合後も、農林水産政策の推進や国と一体となった事務・事業の展開、中期目標・計画の遂行・達成等に支障は生じないよう運用する所存、と見解を示した。

今回の制度・組織見直しに対し、全農林は、「全法人に一律の制度を適用するという現行の枠組みから、事務・事業の目的・特性・財源等を踏まえた新たな制度を構築する」という改革の視点は共有すべきとした。
 しかし、行政刷新会議・独法改革分科会の制度・組織見直しの基本的考え方と論点は、①全ての法人・組織の必要性をゼロベースで見直し徹底的に検証し、法人の事務・事業の特性等を踏まえたものとする、②組織見直しにあたっては、ⅰ)法人の廃止・民営化、ⅱ)法人の統廃合、ⅲ)法人の経営の合理化、に置いて検討するとしていた。仮に、ゼロベースから徹底的に検証され、法人と組織の必要性が問われた場合、組合員の雇用問題を惹起しかねないこととなる。このため、組合員の雇用と労働条件の確保を第一義に、昨年夏以降、公務労協に結集し取り組みを進めてきた。
 とくに、効率化のみを優先する理念なき組織見直しに反対するとともに、①組合員の雇用と労働条件の維持、②農林水産政策の推進と一体的に事務・事業を展開するための組織の維持、③現行の中期目標・計画の着実な遂行・達成の確保、いわゆる「3要件」の確保を基本に置き組織内外の取り組みを強化してきた。
 具体的には、2010年の事業仕分けにあたって取りまとめた「農林水産省所管独立行政法人の存続の必要性」の再整理と政府・与党や行政刷新会議への活用、3度にわたる大臣要請や各法人との秋季交渉、全組合員によるハガキ行動等を通じて「3要件」の確保に全力で取り組んだ。

当局見解に加え、制度・組織見直しの基本的考え方と論点に対して、組合員が働く10法人が、①廃止・民営化の論議にのせられなかったこと、②法人と事務・事業の必要性が認められたこと、③全て新法人に移行出来たこと、を踏まえれば、現段階において「3要件」は確保されていると受け止める。
 しかし、新たな制度においては、共通ルールの整備や内部ガバナンスの構築など、更なる効率化や評価の厳格化、情報公開を示唆している。併せて、新たな法人制度及び組織への移行にあたっては、統合等を行う法人はもとより、それ以外の法人においても、合理化・効率化の推進と不断の見直しが指摘されており、今後の基本方針に基づく具体化と法案の作成作業に対しては、その動向を注視するとともに、必要な対応・対策を行い「3要件」の確保をより確かなものとしなければならない。

今回決定された制度及び組織の見直しの基本方針は、週明けから開催される第180通常国会への関係法案の提出に向け法制化のステージに移行する。中央本部は、閣議決定後、農林水産大臣からの見解を求めるとともに、「3要件」の確保を改めて要請したが、引き続き各法人の機能と役割を維持し、そのことを通じて組合員の雇用と労働条件の確保に組織を挙げて取り組むこととする。
                                                                             
 

以 上
2012年1月20日
全 農 林 労 働 組 合


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